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9月理事会 理事長あいさつ

2019.10.04

いよいよ消費税の10%引き上げ予定時期が間近に迫ってきました。わざわざ2%引き上げながら小手先の軽減税率を導入するために複数化した税率での混乱、体力が無くて制度対応できない中小業者、消費の落ち込みが心配で価格転嫁できない零細業者なども多く、消費者にも業者にも厳しい結果が予想されています。介護棟建設や増床整備のための大型投資をしなければならない私たちにとっても増税は大きな痛手ですが、消費税と社会保障は一体的に動くため、医療・介護界、患者・利用者にも大きな影響が伴ってきます。消費税は社会保障の充実を目的に引き上げられるとは言っても、増税分のすべてが社会保障に使われることが無いのは証明済で、既に患者・利用者の負担増の議論が本格化しています。

8月末の国の介護保険部会では、▽ケアプラン作成有料化、▽利用者負担の2割、3割の対象拡大、▽要介護1・2の生活援助、通所介護の保険外し、▽介護施設の居住費・食費補助の負担増、などの介護予防の理念に逆行する改悪案が年明けの通常国会に提出を予定されています。医療では、75歳以上の窓口負担2割への引き上げが焦点の一つですが、受診抑制や治療中断による重症化が今から懸念されています。その他、漢方・ビタミン剤・保湿剤・花粉症治療薬など各種薬剤の保険外しも改悪対象として取りざたされています。

さて、そのような厳しい下半期以降の情勢ですが、中長期計画のスタートに当たる今年度に私たちは介護棟建設と増床実現の計画を着々と進めていることはこれまで報告しているとおりです。計画は2021年秋までの約2年半にわたる計画となっていますが、来年度は本理事会の改選年度に当たっていることから、中長期計画を着実に進め、軌道に乗せるまでの理事会執行部体制、法人事業所の管理者体制について余裕を持って決めておかねばなりません。しかしながら、医師・看護師・事務職といった主要職種でのトップ管理者の定年や後継問題が相前後して生じているといった事情も重なって、資産規模が70億円を超えるまでに事業規模が拡大した法人の安定運営と円滑な世代継承をどのように、民主的に舵取りしてゆくかが大きな問題となっていると考えています。

そうした意味で、本日の理事会では、これまで理事会として経験のない次期管理者体制に関する検討委員会立ち上げの提案などもございますので、この公益財団法人の過去・現在・将来に思いを馳せながら議論いただければと思います。