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9月理事会 理事会あいさつ

2020.10.14

新型コロナウイルス感染症の第2波のピークは越えつつあるように見えますが、9月16日の神奈川県の分析データでは、新型コロナ患者用の病床利用率、新規感染者数、感染経路不明率などが横ばい高止まりを続け、なお注意が必要とされていました。その後に4連休の人出があり、政府の消費喚起策であるGO TO関連事業が続きますので、収束は予断を許しません。

医療機関における9月末現在の重要課題は、「次のインフルエンザ流行に備えた外来・検査体制の整備」をすることで、厚労省の指針では、都道府県が主体となって、多くの医療機関で発熱患者等と相談・診察・検査できる体制整備を進めるとしています。そこでは、今までのように保健所や帰国者・接触者相談センターを介することなく、発熱者がかかりつけ等の身近な医療機関で相談・受診できるように整備を進めることになっています。この整備指針に基づいて、汐田総合病院と法人内診療所は、それぞれの実情に応じて整備を進めているところです。特に、新型コロナが疑われる患者の入院に対応する重点医療機関協力病院である汐田総合病院には、相当数の患者が受診する可能性があり、病院長・事務長を中心に体制整備に注力しているところです。

私たちにとってはそうした重要な局面ですが、政治の世界では先日に安倍首相の突然の辞意表明があり、脱派閥を目指してきたとされる人が派閥丸抱えで自民党総裁となり、菅内閣が発足しました。「国民のために働く内閣」を目指す考えのようですが、友達や身内を優先して働いた内閣を支えた人が言う言葉ですから、大変逆説的に聞こえます。また、総理としての所信にあったように、苦労人であることやたたき上げを自称する首相が、自助をことさら強調すれば、国民の自己責任が強要され、政治の責任があいまいになるでしょう。このコロナ禍では、格差や経済問題、様々な矛盾が明らかとなり、それに対処するには新自由主義的発想では難しいというのが多くの人の見方です。今後、どのような国つくりを目指すのか、菅首相が描く国家ビジョンに注視しなければいけません。

驚くことには、辞任した首相には多くのねぎらいの言葉が贈られ、新政権には世論の期待が高いそうです。どこまで日本人は忘れやすく、人がいいのか呆れますが、巷には衆議院解散の声まで出ています。「安倍政治の継承内閣」の民意を問うことは一概には否定できないものの、政治空白は許されないと派閥の談合選挙を行った人たちが、国政やコロナ対策をそっちのけに総選挙に踏み切るとしたら、あまりにも政治家本位で国民無視と思いますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。