2020年度上半期を振り返って
「コロナの渦中で、私たちは揺れども沈まず、着実に前進している!」
3月からの新型コロナウイルス感染症の急速な拡大から7か月。今年度は、医療資材不足の中での感染防止対策、一方での患者減少や診療自粛による未曽有の経営難でスタートする、多難な上半期でした。感染拡大の動向と厳しい経営基調をいち早く予測し、公益財団法人としての存続が危ぶまれることを職員・労組に訴え、費用削減策のご協力をいただいたことは大変心苦しいことでしたが、何とか無事に上半期を終えることができました。
この上半期(4月から9月)を振り返ると、法人全体でみる経常利益は4分の1半期の8485万円の赤字から上半期は3794万円の赤字に大幅圧縮され、また予算対比でみる入院患者数および外来患者数はそれぞれ92.6%➜98.2%、80.4%➜88.4%と4分の1半期から上半期に向けて確かな回復基調を示しています。
これら医療経営活動両面での回復基調は、世の中全体の感染対策の浸透が反映した要因もありますが、これまで継続してきた法人あげての感染防止対策への一定の信頼、神奈川モデル重点医療機関協力病院としての疑似症患者受け入れと一般医療活動両立の成果、職員・労組に協力をいただいた費用削減策の結果が総合して実現していると思われます。そうした意味で、「コロナの渦中で、私たちは揺れども沈まず、着実に前進している!」と上半期を総括できると思います。
しかしながら、この間、法人事業所、グループ法人、関連団体を含めて、新型コロナ感染症が水際まで押し寄せる事態が少なからず経験され、汐田総合病院が持つ機動的な検査機能と役職員の機敏な対応がかろうじて施設内感染への拡大を防いできたことも経験されました。いつどこで誰が感染するかわからず、自身が感染しているかもわからない可能性があるというこの感染症がもつ特徴から、そして「経済回復」と「感染拡大防止」が二律背反的に進む社会状況から、法人経営の将来はまだまだ予断を許しません。コロナとの長い戦いの中での精神衛生維持にも注意を払いながら、下半期の重点課題「新型コロナウイルスと季節性インフルエンザ流行期に向けた対策」にしっかり取り組んでいきましょう。
職員の皆さんのご協力を引き続きよろしくお願いします。