本日、新しいこの「うしおだ総合ケアセンター・ビル」で理事会を開催できること、大変うれしく思っています。構想の段階から今日まで、約3年の歳月を要していますが、新しい理事さんもおりますので、簡単に経過を振り返っておきたいと思います。
端緒は2018年正月に行った次年度の法人事業の方針討議でした。当時は医療法/医療計画で位置づけられた2025年に向けた地域医療構想つくりが全国的に始まったころでした。地域の病院が一斉に自身の立ち位置と役割、つまり機能分化と連携を考え出す動きが急になり、当院の第6次長期計画つくりも始まっていました。まずは、法人の今後10年を見渡す中で、中核に位置する汐田総合病院の増床方針を決め、そのための老健の移転/介護棟建設を一体的なものとした基本構想を作りました。これを地域の医療検討会でも説明し、横浜市へ病床配分申請するという正攻法の手順を踏んで、2019年に58床の増床が認められました。その直後に建設検討委員会を立ち上げ、約1年をかけて基本計画を作り、本格的な建設委員会の下で20年春から着工し、大きな事故もなく今年3月に竣工・引き渡しを受けることができました。
昨年春からの1年間は、病院を中心にして新型コロナウイルス対応で忙殺され、経営危機を予感させる事態にもなり、職員にも身を切る負担を強いる時期もありましたが、今日まで何とかコロナ禍、経営危機、介護棟建設の3つの課題を乗り越えることができたのも、法人68年の歴史の積み重ねの上に立った法人職員あげての努力の成果と思っています。我が法人はなかなかのレジリエンスのある組織です。事業を見守り、応援していただいた理事の皆様にお礼するとともに、この総合ケアセンターの立ち上げを新たな法人発展の礎にすべく、これからも努力したいと思います。建物に魂を入れこむのは正にこれからで、全執行役員が気持ちを新たにして、今後の法人事業活動に取り組みたいと思います。
さて先の21日、1月7日から2か月と2週間に及んだ新型コロナウイルス対応に係る緊急事態宣言が解除されました。新規感染者数の水準はなお高く、一部地域では感染の再拡大兆候があり、変異株ウイルスの拡大も懸念されている中での政治決断であり、菅政権は重い責任を負ったと言えます。国民の側にも自粛疲れもあり、このまま単純に期間延長しても効果は望めず、行き詰まった末の解除にも見えます。変異ウイルルスのモニタリング充実など5つの柱からなる総合対策も打ち出されていますが、人の動きが激しくなる春の季節を迎えて、感染を抑え込めるのか未知数です。聖火リレーが始まったオリンピックに向けた動向も気になるところです。医療従事者へのワクチン接種も正にこれからという段階であり、今後も政府や自治体の新型コロナ対策の進捗と感染拡大の推移から目を離さず、医療機関としての適切な対応に取り組んでゆきたいと思います。