本日は6月までの4分の1半期の活動・経営結果を中心に報告いたします。大まかに言って、昨年度の大型投資にかかわる消費税や減価償却費の増加にも関わらず、本業の事業収益が伸び、人件費をはじめとする支出削減が奏功して、経営状況が前進しています。その詳細については業務報告の中で述べたいと思います。
さて、新型コロナの感染が第5波の波となって全国的に拡大しています。国が新型コロナ対策として力を入れ、唯一の切り札としていたワクチン接種も供給不足で雲行きが怪しくなって、関係者が収拾に追われています。一方で、感染拡大は急速に進んでいて、神奈川県でもステージ4への移行も時間の問題、汐田総合病院の昨日の発熱外来の陽性率は53%であったそうです。
こうした緊急事態の下でも、さらなる感染拡大の火種となる五輪開催は決行されるのですから、営業や生活の自粛を余儀なくされる大多数の国民から疑問や不満が出るのももっともなことです。こうしたコロナ禍で明らかになったのは、政策形成過程に論理性、透明性、科学的なエビデンスが乏しいという日本特有の惨状だと、神奈川県立保健福祉大学教授のユウさんという人が指摘していました。氏が指摘するには、欧米ではコロナに関する巨大なデータベースを作成し、一般公開して、最悪の状況に備えた複数の未来予想シナリオを作り、備えると言います。しかし、日本では政府の中にいる少数のエリートが非公開データを分析し政策を作る。そして、そもそも政策が失敗するという前提がないから「プランB:その他の選択肢」を作らない。常に失敗を想定し、プランBを起動できるようにしておく欧米と、そうした備えを無駄とみなす日本。そして日本では、プランBを却下する知的怠慢を正当化する理由も不透明なものが多い、と氏は言っています。戦前なら「天皇が却下したから」、戦後なら「米国が却下したから」が典型的だそうです。そして無批判にそれを信じる国民にも問題があるとの指摘にはなるほどと思いますが、今、菅内閣の知的怠慢の結果である五輪開催しかないという選択肢には、国民の多くが疑問を持ち始めていると思います。
五輪競技の一時の熱狂で、プランBを一顧だにしない政府の怠慢と責任を忘却することなく、政府の選択が今後の日本に何をもたらすのか、目を凝らし続けなければと考える次第です。いずれにせよ、医療は年末年始の第3波並みの臨戦態勢です。緊張感をもって対応してゆきましょう。