新型コロナウイルス感染症で明け暮れた2021年もワクチン接種の普及と国民あげての感染対策によって、何とか一定の落ち着きを見せつつ年末を迎えることができました。しかし、オミクロン株の市中感染が報告されてきていますし、年末年始の特別の国民行動もありますので、感染状況の動向は予断を許しません。3回目のワクチン接種を急ぐとともに、検査機会の保障、医療体制の整備と共に、改めて感染の機会を避ける市民レベルの行動変容が求められています。
新型コロナの第6波への警戒が続く中ですが、来年の2022年は新型コロナ感染症が拡大してから初めて迎える2年に1度の診療報酬改定の年で、すでに22日の段階では首相仲裁で0.43%のプラス改定が決まったとの報道がありました。しかし、岸田首相がぶち上げた看護職の賃金3%引き上げ分と菅前首相が進めた不妊治療の保険適応分で大方使われてしまうという話もあり、コロナ対応や受診控えによって影響を受けたほとんどの医療機関にどれだけの恩恵があるのかわかりません。私たちは引き続いて、経営改善と地域への貢献を整合的に、粛々と進めていかなければなりません。
さて、2年にわたるコロナ対応と並行して、当法人では今年4月に老人保健施設、在宅診療所、訪問看護ステーション、居宅支援事業所、まちつくりに関わる部門や事業所などを集約した「うしおだ総合ケアセンター」を完成させ、11月には「地域生活支援病院」を目指す汐田総合病院に新たな地域包括ケア病棟を開設しました。こうした成果と実績は、その質と量と密度において、最近の二、三十年間の法人活動を俯瞰しても、新病院の開業以来の経験ではなかったかと思います。後は、こうした新しい施設整備を今後の法人事業計画の力に変えて、しっかりと中長期計画の実現に努力することが求められるばかりです。今日の午後に予定されている来年度の予算方針に関わる討議で、そうしたことを、業務執行理事をはじめとする管理者集団で確認をするところです。
本年最後の理事会、忌憚のないご意見をよろしくお願いいたします。