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8月理事会 理事長あいさつ

2022.9.08

今朝の新聞で福岡民医連の病院長が以下のように述べて発熱外来の混乱と医療のひっ迫を訴えています。…長年診察してきた患者さんに「先生、熱が出たらここにくればいいんだよね」と言われ言葉に詰まりました。「いいですよ、いつでもきてください」と言うことができない。医者になって30年以上たちますが、こんなことは初めてです…こうした中、国民の過半数が反対するもとで政府は2億5千万円の巨費を投じて、9月27日に安倍晋三元首相の国葬を予定しています。神奈川民医連は「国葬に反対する」との会長声明を発信しました。憲法学者の木村草太氏が国葬の問題点として「法の下の平等」に疑義があり憲法違反のそしりを免れないと指摘しています。私たち国民ひとりひとりの葬儀を国家が税金を投入して行うことは通常あり得ません。故人が、どれだけ他の国民に比して特別な存在であったか、税金を投入しての葬儀に値する人物であったか、政府は国民に丁寧に説明する必要があると考えます。それが行われないままに行われる国葬は、まさに違憲の行事です。

さる8月20日、全日本民医連評議員会に参加した際、核兵器禁止条約の成立に尽力された核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の川崎哲さんの講演を聞きました。同時期に開かれていた「核不拡散条約」(NPT)の再検討会議は26日午後、「最終文書」の採択を果たせず決裂しました。ICANのフィン事務局長は「(再検討会議の)失敗によって、核兵器禁止条約がいかに重要であるかが強調された」と述べたとされています。これによりしばらくの間、核保有国と核廃絶を望む各国の人々との対立は激しくなると予想されます。私たちには「何より核兵器のない世界というゴールを見失わないこと」が求められています。8月9日、長崎市の平和公園で開かれた平和祈念式典において、田上富久長崎市長は平和宣言の中で以下のように述べています。…私たちの市民社会は、戦争の温床にも、平和の礎にもなり得ます。不信感を広め、恐怖心をあおり、暴力で解決しようとする“戦争の文化”ではなく、信頼を広め、他者を尊重し、話し合いで解決しようとする“平和の文化”を、市民社会の中にたゆむことなく根づかせていきましょう。高校生平和大使たちの合言葉「微力だけど無力じゃない」を、平和を求める私たち一人ひとりの合言葉にしていきましょう…戦争の文化か平和の文化か、曲折はあっても必ずや「平和の文化」が勝利します。私たちも声を上げてゆきましょう。

さて沖縄では、辺野古新基地の是非をめぐる決定的な対決の場となる県知事選挙が8 月25 告示 9 月11 日投票で行なわれます。神奈川民医連は全日本民医連からの要請に応え、8月理事会で「2022 沖縄民医連平和をまもるたたかい・沖縄県知事選挙への支援」を呼びかけることを決めました。沖縄と日本にとってかけがえのない玉城デニー県政を継続・発展させることは、沖縄県民だけでなく多くの国民の願いです。コロナ感染拡大のため現地での支援は断念いたしますが、憲法と民主主義を守り、平和な日本を実現し、辺野古への新基地建設を許さないたたかいを発展させ、オール沖縄をより強固なものにしていくためにも、カンパやグッズ購入による支援、現地のお知り合いへの投票の呼びかけ等をお願いします。