インフルエンザやノロウイルスの流行期に入りましたが、同時にコロナ第8波がピークを迎えようとしています。この間も協会役職員は総力を挙げて医療・介護・福祉活動に尽力してまいりました。本日もそれらに関連しての報告や、総合病院地域の外来機能拡充、わけても新築されたケアセンタービルを活用しての医療展開について、現時点での議論の到達点の報告等がなされますが、この場では別の見地から問題提起させて頂きたく存じます。
新年度の協会活動方針文書にSDGsについての言及があったことを記憶されていると思います。今回はそのうち「目標12 つくる責任 つかう責任」のターゲット3番である
「2030年までに小売・消費レベルにおける世界全体の一人当たりの食料の廃棄を半減させ、収穫後損失などの生産・サプライチェーンにおける食料の損失を減少させる。」
について、月間保団連の記事から抜粋して紹介します。
現在、全世界の年間生産量の約3分の1に当たる食料が廃棄されている一方で、約8億人が飢餓に苦しんでいる、とされている。コロナ危機における食料の問題については、①流通の問題;港や船が私たちの命を支えていること ②自国民を守ることを優先するため、食料生産国が輸出量を調整するということ ③先進諸国は労働力を外国人労働者に依存しており、自分たちの胃袋を満たすために彼らを低賃金で働かせている(これは食料の生産現場だけでなく、介護の現場もそうなっている)。新型コロナの感染拡大の中で、外国人労働者が入国できなくなり、労働力が不足すると、自分の国・地域で回さなければならなくなったため労賃や人件費などのコストが一気に上がり、農家の経営に重くのしかかり、さらにそれらのコストが上がると食料品の値段も上がっていくという負のスパイラルがコロナ危機で見られた。日本は非正規雇用が拡大して、実質賃金が下がっている中で、経済的に余裕のない人々は物価高騰の波をまともかぶらなければならなくなる。特に、7人に1人が貧困状態といわれている子どもたちが心配。この物価高騰が進むと、日本の全員が貧困に落ちるのではなく、格差がさらに両極端に広がっていく。
そうした中で健康友の会も取り組んでいる子ども食堂の数は、2021年には全国で6007カ所まで急増しており、これは政府の福祉政策の失敗の象徴である。いっぽうで、政府の尻拭いにとどまらない様々な可能性が見えてきたことも事実。「サードプレイス」という概念が重要。1番目は家庭、2番目は職場や学校、そして3番目の場所(サードプレイス)として、カフェ、居酒屋のような、気兼ねなく集まっておしゃべりできるような場所、そういう居場所があることによって大人も子どもも息抜きができ、心のバランスを保つことができる。
先の評議員会でも述べたようなまちづくり活動と食糧の損失を減少させる行動に、友の会の皆さんとともに果敢に取り組んでゆきたいと考えています。