2023年は横浜勤労者福祉協会(汐田診療所)の創立70周年、神奈川民医連、そして全日本民医連の結成70年に当たります。去る9月9日に開かれた「神奈川民医連70周年レセプション」において、県連を代表して挨拶を申し上げました。本日はその一部を紹介して理事会挨拶といたします。
戦後の傷跡がつよく残り、くらしはもとより飢餓・伝染病などで生き長らえることすら困難な時代、多くの住民の支援と医療従事者の協力で県内各地に民主診療所がつくられました。神奈川民医連は、1953年にこれらの診療所の連合体として結成され、以来、地域から求められる医療と介護、社会保障充実の運動、公害、災害救援、労災職業病、平和運動、核廃絶・脱原発の行動、地方自治体の医療介護福祉政策への提言や懇談などを、神奈川で働く・暮らす人々のための医療団体として、積極的に取り組んできました。
また県連結成50年からの20年間継続して開かれている平和学校の活動、2011年の東日本大震災、福島第一原発事故に際して共同組織の皆様と共に息の長い支援を継続したこと、2019年末からの新型コロナウイルス感染症の流行では感染者の治療・発熱診療・ワクチン接種に総力で取り組み、感染が危機的状況にあった時にも介護事業を休止せずに地域の人々を守ってきた事は特筆に値すると考えます。
このように結成当初から今日まで、社会の矛盾から目をそらすことなく、地域の人々・各種団体の皆様と連携して国民・県民の健康増進の一助となるべく、活動してまいりました。
医療現場、そして共同組織の諸先輩方が築かれた宝である民医連事業所を、県連結成80年、そして100年へ向けて継承・発展させてゆくことが何より求められています。一方で我が国は軍事費を「5年以内に2倍化する」という岸田自公政権のもと、新たな「国家総動員体制」とも言える大規模の軍事支出を何十年も続けようとしています。財源としては庶民への大増税・社会保障費のさらなる削減が予測され、県民のいのちとくらしはますます危機にさらされることになるでしょう。わが県連内にも経営の困難を抱えるいくつかの法人が存在しています。「地域から民医連の灯を消さない」ため、全日本民医連のご指導を受けながら、神奈川民医連一丸となって対策を進めているところです。
1983年の県連結成30年に際して、当時の県連会長野末侑信医師は「信頼」「団結」「統一」をキーワードに掲げました。わたし達は今後も、共に働く仲間と信頼しあい、各法人間の団結を強め、広範な人々と統一して社会保障の充実・平和と人権を守るたたかいに奮闘してまいります。