爽やかなはずの五月を迎えても、朝夕の気温差が大きく雨の日が続くなどしています。気候危機による影響が、私たちの身近に迫ってきていると感じさせられます。そうした中、今年も平和な世界を目指す多くのイベントが開催されています。5月11日には神奈川県平和行進が鶴見区に入り、地域の皆様、協会職員とともに私も鶴見の街を歩いてきました。鶴見区役所での集会では鶴見区からの激励挨拶を受けて出発、ベルロードを通って本町通りへ。うしおだ診療所では渡部所長が一行を激励されました。そこから仲通、入船公園を経て安善町の米軍鶴見貯油施設まで、核兵器廃絶と日本政府の核兵器禁止条約への参加を訴えながら行進しました。米軍鶴見貯油施設ですが在日米軍の貯油施設としてだけでなく、全世界の米軍の貯油施設としても最大級です。ここからさらに、タンク車やタンクローリーを使用し、横田飛行場や厚木海軍飛行場まで航空燃料を輸送しています。横浜市内に居座る米軍施設としてはこの他にも横浜港の瑞穂ふ頭に「横浜ノースドック」があります。ここでは新たに配備された小型揚陸艇部隊の運用が始まっており、「沖縄など南西諸島はじめ日本列島やフィリピンを戦場とする構想の中で、部隊を出撃させる拠点となる」と指摘されています。
そして5月19日には「平和を創る集いin鶴見 第14回鶴見平和フェスティバル」が開催されました。今年は二本の講演「イスラエル軍元兵士が語る憲法9条の真価」講師はダニー・ネフセタイさん、「憲法9条の視点から安保政策の転換を考える」講師は青井未帆さん、が行われました。どちらの講演も魅力ある語り口の中、重要な情報が得られる内容で、国民が平和への意思を様々なアピール、そして選挙での投票を通じて示してゆくことの重要性が理解できました。学習院大学の青井教授は2022年に政府が発表した「国家安全保障戦略」の一文を引用されました。そこには「国家としての力の発揮は国民の決意から始まる。伝統的な外交・防衛の分野にとどまらない幅広い分野を対象とする本戦略を着実に実施していくためには、本戦略の内容と実施について国民の理解と協力を得て、国民が我が国の安全保障政策に自発的かつ主体的に参画できる環境を政府が整えることが不可欠である。」と記されています。かつて第二次世界大戦前に、戦争に反対する者は投獄・殺害され、国民が国家総動員体制に組み込まれていった歴史を彷彿とさせる内容です。今こそわたし達が世界の平和と地球環境を守るため、「自発的かつ主体的に」「決意をもって」声を上げてゆくことが必要だと感じています。今後も平和への取り組み・イベントが続いてまいります。皆さんの積極的な「理解と協力」を、ぜひよろしくお願いいたします。