今年最後の理事会になりました。あっという間の一年ですが、一年が非常に多事多彩であっただけでなく、記憶力の衰えもあり、振り返るのも簡単ではありません。
今年の一年を表す漢字として、日本漢字能力検定協会が選んだ漢字は「金」だそうですが、ある人材サービス会社が全国・男女10~50代のビジネスパーソンを対象に実施した意識調査では「乱(ラン・みだれる・みだす)」がトップになったそうです。私自身は、秩序が壊れつつあるように見える世界の情勢や議論を通して合意を探る機能を放棄して行政府の意向を追認するだけの形になっている日本の国会、沖縄や国民の主権といった守るべきものも守らない日本政府の姿勢を見ていると、日本の今年一年を表すには「乱」の方がふさわしいのではないか、と感じます。
TPP承認、年金カット、駆けつけ警護付与、カジノ解禁、社会保障削減、墜落後のオスプレイ飛行再開、これらすべての問題が国会や政府の機能不全、「乱」を象徴するものではないかと思います。そうした政治の状況が数字に表れる国家予算案が一昨日固まりました。税収が伸び悩む中で34兆円の赤字国債を発行し、自然増する社会保障経費が1400億円も削られ、防衛費や公共事業費だけは増える、過去最高の97兆円の予算案といっても将来展望が見えず、アベノミクスの問題点満載の予算案になっているように見えます。
これが医療と介護で起こりつつある改悪の数字的背景として読み解く必要があります。様々なたたかいと対応を来年も積み重ねてゆかねばならないことを再確認して、今年最後の理事会を始めたいと思います。
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12月理事会 理事長あいさつ
2016.12.26