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3月理事会 理事長あいさつ

2017.3.29

この3月期にも色々な出来事がありました。
まず社会的問題では、東京電力福島第1原発事故で国と東電に損害賠償を求めていた
集団訴訟の判決が出て、前橋地裁が「原発事故は想定外ではなく対策を取ることがで
きた」と東京電力と国の責任を厳しく指摘しました。安全よりも経済合理性を優先さ
せたことに対する問題を認めたもので、今後の原子力規制のあり方や同種の集団訴訟
にも大きく影響するものと思われ、これは良い面での出来事でした。
一方、政治情勢では森友学園への国有地の格安な払い下げに政治家が関与した疑惑に
端を発して、稲田防衛大臣の虚偽答弁や首相自らの寄付金疑惑が生まれて、安倍政権
への対応に俄然注目が集まっています。幼児教育で教育勅語を暗誦させ、子供に差別
的な発言をした、などという学園の実態には驚きと怒りを禁じえませんが、その中心
にいた籠池氏にかつては大きな拍手を送りながら、今は知らん顔している政治家や文
化人の魂はどこに行ったのかと感じざるを得ません。その際たる人が安倍首相です
が、国会の答弁で追求されると質問相手を敵に仕立てて逆ギレ、自分は被害者面をす
る。こうした己の責任には無関心で傲慢な安倍首相にさすがに我慢がならなくなった
のか、「窮鼠、猫を噛む」ごとく国会喚問でかみついた籠池氏ですが、政権側の今後
の対応に注目です。
こうした政治スキャンダルの裏で、いわゆる共謀罪法案が様々な疑問や懸念を残した
まま閣議決定されたことも大変憂慮されることです。まるで小林多喜二の時代に逆戻
りして、人の内心に踏み込んで思想・信条を処罰の対象にすれば、大げさではなくこ
の理事会の中での自由な発言さえも共謀罪対象になり兼ねませんが、それはまるで戦
時体制下の社会です。これを、テロ対策を理由に推し進めようとしているところがポ
スト真実政権の怖いところです。断固反対しましょう。