2回目の緊急事態宣言から約1か月、いち早く解除をと知事が主張していた大阪では、心配されたリバウンドが大きな第4波となって、今では陽性患者が入院できなかったり、重症患者の治療が選別されたり、深刻な医療崩壊が起きているといわれています。コロナ対策に真剣に向き合わず、訪米で政権浮揚を目指していた菅首相も第3回目の緊急事態宣言をせざるを得ない状況に追い込まれました。
首都圏・神奈川も他人ごとではなく、いずれ同様の事態になるのではないかということで、厚労省も「今後の患者急増時の緊急的な患者対応方針」について都道府県に整備の検討を指示しています。その結果、県内では実効的な病床確保が1790床、宿泊施設が1937室確保できたとしていますが、果たして足りるかどうか。第4波の制御如何になるでしょう。いずれにしても、国民の公衆衛生意識のレベル、社会経済活動への配慮、変異株の出現、医療のひっ迫度、オリンピック開催の政治的思惑などが複雑に絡んでの結果になるので、大変難しい状況ですし、見通しもはっきりしません。今こそ国を治す大医の出番ですが、菅首相が大医になれるかどうか。現在の難しい局面を打開する有力な対策であるワクチンはようやく私たちの医療現場に届き始めたばかりで、それも十分量ではない状況です。3回目の非常事態宣言を出すのであれば、新型コロナの封じ込めのための大きな戦略の中で、場当たり的でない科学的な対策を講じてほしいと、国民が大きな声を出す時だと思います。
さて、そんな難しい社会情勢ですが、私たちは今月から法人グループが採用した新卒40数名を各職場に配置して新年度事業をスタートしています。老健やすらぎをはじめとした在宅分野の事業所の移転も無事終わり、病院3階の増床工事も始まりました。これで、汐田総合病院とうしおだ総合ケアセンターという二つの建物が向かい合って活動する構えが一応は出来上がりましたので、「医療介護福祉の力で住民の生活を支える」というグループビジョンを体現する基本条件はしっかり整ったと言えます。昨年来の新型コロナ対応は今後も継続すると覚悟していますが、それはそれとして、地域医療構想と地域包括ケア時代に向けた新しい次元の役割発揮に向けて、今年も頑張りたいと思います。
ご挨拶の最後になりますが、柴田理事に音頭をとっていただいた「汐田総合病院を支える会」からの寄付金が続々届いておりまして、4月20日現在、258人の方から合計 3,785,900円の寄付をいただきました。現在も1日に数人の振込があると聞いております。ご支援をいただいた理事の皆様にもこの場を借りてお礼申し上げます。