お忙しい中、評議員会にお集まりいただきありがとうございます。この度の定期評議員会は、当法人理事会を今後2年間牽引する新役員を選任するという、評議員会固有の重要な会議です。また、新たな法人理事会の執行役員体制は世代交代の節目として、大きく変わる予定になっています。どうか十分な審議をお願いします。また、報告事項になりますが、2021年度の決算と事業報告、2022年度の事業計画・予算計画の説明がありますので、法人事業へのご理解を深めていただくようお願いします。
さて、私と大間知専務はすでに定年を迎えていますので今期をもって退任いたします。正式なうしおだ人生の振り返りは午後の退任講演の中で行いたいと思いますが、ここでは、最後の任期2年間を概括します。今期2年の理事長としての任務は、計画されていた介護棟の建設と第6次長期計画の始まりに責任を持ち、トップ管理者の世代交代を円滑に実現することでした。しかし、その任期冒頭で、新型コロナウイルス感染症の波が予想以上に拡大し、一般外来患者の受診控えや入院・検査・健診などの減少による深刻な経営悪化が起こり、法人解散を危惧するような状況となりました。まさに2020年度の始まり、第6次長期計画の出だしから、法人運営は正念場を迎えることとなりました。
その後、全職員へ率直に経営協力を訴えた上で体制を立て直し、新型コロナ感染症拡大に対する対応を漸次拡大し、入院受け入れ、全事業所での発熱外来、ワクチン接種、などなど、法人を挙げてコロナ対応に力を入れる中で活路を開き、うしおだ総合ケアセンターの開設と3階病棟の増床を実現することができました。また、診療所でもコロナ対応を通して外来患者を増やし、介護事業所でも利用者本位の生活支援活動を継続するなど、地道な成果を上げた2年間だったと言えます。新型コロナ対応医療機関への緊急支援的な補助金事業のお蔭もあり、結果的には予想以上の経営上の成果を上げて今日を迎えましたので、最後の任務は果たせたと考えています。今後はコロナ後の医療経営環境の変化に耐える事業活動へ切り替えてゆく必要がありますが、次期理事会の活動に委ねたいと思います。
さて、コロナ以外のことでは、今年の2月24日からはロシアによるウクライナへの軍事進攻が始まり、これを機に軍事予算の2倍化や敵基地攻撃能力の確保、憲法改正などが政治の俎上に昇るようになりました。中国でのゼロコロナ政策の影響も加味された原材料不足、円安進行、物価上昇、その中での参議院選挙なども重なって、社会・経済・政治環境の見通しも不透明になりつつあります。こうした中での新体制の発足、法人運営となりますが、そうした法人の将来を担う新役員を選任する今日の評議員会の役割もかつてなく重要と思います。次期理事会執行部の任務・課題を十分ご理解の上、厳正なるご審議をお願いしてご挨拶といたします。長い間ありがとうございました。